第2回 ECサイトの規模を決めよう


ECサイトを作るということは、ネット上にお店を開店するということです。

ECサイトではなく、商店街やショッピングモールに実際のお店(実店舗)を出すとなれば、どれくらいの面積にして、どのくらい陳列棚を置き、月間でどれくらい売り上げるかなどを考えて作りますよね。お店の大きさを、お店の規模と呼びます。規模が小さければ、店舗面積は小さく、月間の売上も小さく、在庫も少なくて良いはずです。小さければ最初に必要なお金(初期投資)や、家賃など毎月の支払い(ランニングコスト)を小さく抑えることが出来ます。しかし、ある程度本腰を入れて商売をしようとしているのに四畳半の店舗では対応しきれないでしょう。

ECサイトも実店舗と同じく、規模を考える必要があります。たくさんのお客さんを見込んでいるのに小さなサーバーを使ってしまうと、サーバーが極端に遅くなったり停止しますし、機能性の低いECシステムを使ってしまうと、会計システムと接続できずに全ての売上を手入力するなど、販売のチャンスを逃したり、お金を無駄に使ったりしてしまいます。逆にあまりたくさん売るつもりがないのに、大きなサーバーや強力で高額なシステムを使うと、これもお金を無駄に使うことになります。

そこで今回はECサイトにどのような種類があるかを見ていき、みなさんの海外向けECサイトに適したECサイト規模を見つけていきましょう。

ECシステム、代表的な4つのタイプ

~あとで後悔しないための、「知識」と「選択」~

ECサイトを実現するECシステムは様々なタイプが存在しますが、おおよそ4つのタイプにわけることができます。(詳細は別表)ここではAmazonに代表されるような、モール内への出品は対象外としています。

一度ECサイトをオープンしてしまうと、あとからシステムを変更することは容易ではないので、慎重に選択する必要があります。

1.クラウドサービス

フリーメールアカウントを作るような感覚で店舗用アカウントを作って、ECサイトのデザインを選び、商品を登録するだけですぐ店舗を開始できるサービスです。とても手軽に開始できる上、初期投資がほとんどかからないのに、一般的なECサイトに必要な基本機能を利用できるのがメリットです。しかし、準備されたデザインテンプレートに限りがありほとんど変更できないため自社ブランドイメージを反映しづらく、商売の自由度(たとえばキャンペーンの実施)が限定的で、外注倉庫システムなど外部のシステムとの接続がほとんどできないといったような制限が大きいというデメリットがあります。そのためモールから独立したECサイトを持つメリットが薄れることが多いので、ブランドイメージがあまり必要ないなど、デメリットによる影響が少ない店舗に適しています。

2.一般的なWebサイト+簡易ショッピングカート

WordPressなどEC機能を持たないWebサイトシステムに、PayPalリンクやPayPalショッピングカート、プラグイン形式のショッピングカート機能など簡易的なショッピングカート機能を追加する方法です。初期投資が通常のWebサイトと同等に抑えられるのに加え、多くのデザインテンプレートが提供されていてデザインの自由度が高いため、自社ブランドイメージをしっかり反映できることがメリットです。ただ、ショッピングカート機能は限定的であるため、商品点数が少ない店舗に適しています。外部システムとの接続はほとんどできません。

3.インストール型自社ECサイト

ECサイト専用システムをレンタルサーバーなどにインストールしてECサイトを構築する方法です。デザインテンプレートが豊富で自社ブランドイメージの反映が可能、追加機能が豊富に用意されていて商売の自由度が高く、他のシステムとの接続も可能と、おおよそ目立った弱点が見つかりませんが、初期投資が必要です。商品点数が多く、ブランディングも含め本格的な店舗を実現し、日々のオペレーションにも問題がないようにしたい場合に適しています。したがって、企業として本格的に店舗運営する場合には、このタイプが最も適しています。

4.大規模自社ECサイト

大型店舗から百貨店レベルのECサイトを構築するためのECサイトを、専用に設置されたサーバーに構築する方法です。デザイン、追加機能、他のシステムとの接続、膨大な来客への対応など、全てにおいて高いレベルで実現しますが、初期投資と維持費が高額です。システム管理面も大変高度になるため、エンタープライズサービスとして大規模ECサイト専門業者から提供されていることが多く、大企業に向いています。

クラウドサービス Webサイト + PayPalショッピングカート インストール型自社ECサイト 大規模自社ECサイト
Wix, Magento go WordPress + PayPalショッピングカート Magento Community, Zen cart Magneto Enterprise
メリット 低い初期投資、システムの理解が不要 低い初期投資、既存サイトから拡張できる、一般的なWebデザイナーの知識で構築可能 多彩なプラグインで安価に拡張可能、他システムとの接続性が良い 必要な物が全て揃う
デメリット 拡張性が低い、他システムとの接続性に制限が多い 複雑なことができない、他システムとの接続性に制限が多い、決済会社が選べない 立ち上げコストが一般的なWebサイトより高い 立ち上げコストとランニングコストがかなり高額
立ち上げコスト 0円-500,000円 100,000円-500,000円 (既存サイト拡張)
300,000円-800,000円 (新規)
1,000,000円-$3,000,000円 3,000,000円-
維持コスト 1,000円-13,000円/月 1,000円-13,000円/月 5,000円-$100,000円/月 120,000円/月-

※上記価格表示などは、これを保証するものではありません。構築内容のほか、構築時期、各業者の特殊なサービスなど各種条件で大きく変動する場合もあります。表記内容は参考程度とし、実際の価格など各種詳細については、最終的にはご自身でご判断ください。

重要なチェックポイント

ECサイトの規模を考える上で、まず気になってしまうのがコスト部分でしょう。しかし、それだけでは適切なものを選択したとは言えません。コストももちろんですが、ここでは規模を選ぶときに重要なチェックポイントを紹介します。

ブランディングが必要か

ここで言うブランディングとは、商品のイメージをよくして、高価でも購入してもらえたり、ほかより優れていると選んでもらえたりする状況を作ることです。例えばデザイン性や機能性の高い下着などはこれに該当します。逆に、安く大量に売れればいいといった商品はこれに該当しないことが多いと考えてください。

ブランディングが必要であれば、デザインが自由になるECサイトシステムを選ぶべきです。

商品点数やサイズ展開が多いか

商品点数が多いと、簡易ショッピングカートでは対応しきれません。また、サイズ展開や色展開が多いなど、SKUが多種になっている場合、これを適切に商品管理できるシステムを選ぶべきです。

販売数は大きいか

販売数が多いと、発送作業や売上管理などが膨大になります。これをいちいち手作業で処理すると、このためだけに従業員を増やさなくてはいけなくなります。販売数がある程度多い、あるいは多くなることが見込まれる場合、できるだけ他のシステムと接続して作業を自動化することが肝心です。

初期投資、ランニングコスト、償却期間は合っているか

ビジネス的に、商品単価と各種コストが見合っているかどうかを検討します。ECサイトはIT技術の進歩とともに進歩していますので、実店舗と比べるとイニシャルコストの償却期間は短いと考えるべきです。たとえば5年前に作ったECサイトが、最新のiPhoneでとても綺麗に見えるかというと、かなりの確率でそうではないでしょう。

最終判断はプロと話してから

もちろんここで書いたことだけで適切な規模をだれでも判断できるかというと、それは難しいでしょう。最終判断を慌てて下すのではなく、きちんとコンサルティングを受けてから落ち着いて検討し、判断するように心がけましょう。

 

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