第6回 海外向けECサイトに必要な、クレジット決済口座の作り方


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なぜ日本のクレジット決済口座ではだめなのか

large_6355848263海外向けECサイトを始めるとき、クレジットカード決済口座(クレジットカードを受け付けるための口座)が必要なことは簡単に想像がつきますが、日本で作ったクレジット決済口座ではだめなのでしょうか?

結論から言うと、日本のクレジット決済口座では、かなり不利です。

クレジットカードや、クレジットカード決済口座には、在籍する国が必ず設定されています。日本で発行されたクレジットカードは、日本国内では自由に使えますが、それがVISA(ビザカード)やMaster(マスターカード)など国際的なブランドであっても、海外では全く使えないものもあります。もちろん海外でも使えるように設定することはできますが、その場合でも、ある日突然海外で使うと、一旦カードを止められて、電話などで安全な利用であることの確認が取れるまでカードが使えなくなることもあります。アメリカのカードも、日本のECサイトなどで使うと、全く決済できなかったり、できてもカードを一旦止められることがあります。

詳しい説明はここでは省きますが、原因はすべてクレジットカードカードの発行国情報と、クレジットカード決済口座の在籍する国の情報による制限です。

クレジットカードがうまく使えなければ、お客さんは危険を感じでもう二度とそのECサイトを使わないでおこうと思ってしまうことでしょう。したがって、アメリカに売りたいならアメリカのクレジットカード決済口座が必要なのです。
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アメリカでクレジット決済口座を開くために必要なもの

 

origin_5624782522アメリカでクレジットカード決済口座を作るのに必要な物を見て行きましょう。このほかにも、状況によってはもっと多くの登録や条件が必要になることもありますが、ひとつひとつがんばって満たしていくことが重要です。
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EIN(米国法人番号)

EINとは、Employer Identification Numberの略で、アメリカの法人番号のことです。直訳すると雇用主識別番号です。主に税金申告に使うことを目的としています。会社を作ると発行されますので、逆の言い方をすれば、EIN取得のためには会社を設立することが必要です。

法人用の銀行口座を開設するには、このEINが必要です。

銀行口座(Bank account)

クレジットカード決済口座を開く前に、売上金の受け皿になる銀行口座を開設する必要があります。

銀行口座のことをBank Account(バンク・アカウント)と呼びますが、その種類にはChecking AccountとSaving Accountがあります。

Checkingは日本の当座に近いもので、チェック(小切手)を発行することができる口座です。アメリカでは、各種支払は銀行振込よりも、小切手を郵便送付するほうが一般的です。したがって、Checking Accountは必須です。

Savingは、日本の普通と定期の間のような位置づけです。一般的にはCheckingに入れてあるお金に利息がつかないのに対し、Savingに入れてあれば利息がつきます。CheckingとSavingの間でのお金の移動は、オンラインで簡単にできます。業務用には、Savingはあってもなくてもいいでしょう。

以前と比べて、会社の銀行口座を開くための審査が厳しくなっています。会社が実際に存在し活動しているか調査され、会社に歴史がない場合は個人の信用を求められたり、銀行によって様々な書類を提出させられることがあります。日本から出張ベースで銀行口座を開くのはかなり大変なので、現地でサポートしてくれる人を見つけるのが近道です。また、1つの銀行にこだわらず、協力してくれそうな銀行や銀行員を見つけましょう。アメリカでは、同じ銀行でも銀行員によって対応が全く異なる場合が多々あります。

クレジットカード決済口座(Merchant account)

クレジットカード決済口座は、銀行口座を開設するよりも審査が厳しくなります。これは、たとえばECサイトでお客さんがクレジットカードで支払った翌日に現金が業者側に振り込まれるのに、お客さんに本当に荷物が届くのがそれよりかなり後になるため、業者を信用できるかどうか見定めておかないと、危険が生じるためです。

業者側の会社(あなたの会社)に十分な業務の実績があり、経営状態もしっかりしていている場合は、会社の信用だけでクレジット決済口座を作ることが出来る場合もあります。ただ、日本から進出してすぐの会社に対して、簡単にクレジット決済口座を作ってくれるところはほとんどありません。

会社の信用がない時には、多くの場合、個人保証(Personal Guarantee)が要求されます。つまり、クレジット決済で問題を起こした場合、個人的に金銭的な保証を行う約束をさせられます。さらに個人保証が出来る人は、アメリカ国内で信用がある人でなければいけません。アメリカ国内での個人的な信用とは、ほとんどの場合「クレジットヒストリー」を指します。クレジットヒストリーは、後ほど説明します。

これらをクリアできない場合でも、他にいろいろな方法があるので、それらを模索することは可能ですが、自分たちでひとつひとつやっていくよりも、この問題を解決してくれる業者に頼むほうが圧倒的に早く解決します。

根気

上記の通り、クレジット決済口座を開設するためには、さまざまな問題を解消していく必要があります。アメリカでは、窓口の人ごとに言うことが違ったり、引き継ぎがずさんだったりということは日常茶飯事です。これは、文化的にそういうものなので、いちいち目くじらを立てていてもなんのメリットもありません。

このため、各種手続きや資料集めには、相応の時間がかかります。これらのほとんどは、業者に依頼することでかなり楽になりますが、時間がかかってしまうのはどうしようもない場合があるので、根気よく問題解決に取り組んでいく必要があります。

これはクレジット決済口座だけでなく、またアメリカだけでなく、海外で何かをしようとするといろいろな場面で直面する問題です。

クレジットヒストリーとは

origin_2500097744先の説明でも登場した「クレジットヒストリー」とは、個人ひとりひとりの経済状況の履歴のことです。クレジットヒストリーから、クレジットスコアが計算されます。

クレジットスコアは、その人がどれくらい経済的に信用ができるかを点数にしたものです。たとえば、「Aさんのクレジットスコアは680点です」などといったように。

クレジットヒストリーは、主にクレジットカードの利用実績や、ローンの返済実績などが反映されます。逆に、クレジットカードやローンを全く使わなければ、クレジットヒストリーは発生せず、クレジットスコアも計算出来ないことになります。したがって、クレジットヒストリーのない人は、経済的に信用できるかどうかわからない人、ということになります。

個人保証を入れる場合には、クレジットスコアが何点以上必要です、などといった条件が出されます。クレジットヒストリーがないと、この条件を満たすことができません。

ECサイトにクレジット決済口座を登録する

クレジットカード決済口座を開設できたら、 あとはECサイトにつなぐだけです。

具体的な方法はECサイトのシステムや、クレジットカード決済口座(厳密には、それに紐づくゲートウェイシステム等)によって違うので、ここでは説明を控えますが、信頼できる業者と、一般的なシステムを使っていれば、それほど大きな問題になることはありません。